唇を噛み締め、その場から去った。
足速に教室に入ると、すでに来ていた仁奈がわたしの元へとやって来る。
「おはよう!昨日、どうだった?」
目を輝かせる仁奈。
明らかに楽しんでいるのが伝わって来て、心苦しい。
当たり前だけど、さっきの出来事を言えるわけがなかった。
言うと、涙が止まらなくなりそうで。
……ツラい。
「……連絡先交換したよ」
「キャー!良かったじゃーん!」
バシバシ背中を叩かれ、思わず顔をしかめる。
今はツラい気持ちでいっぱいで、仁奈の明るいテンションが逆に助かる。
わたしのことが好きじゃないなら……なんで振ってくれなかったの?
あんなにあからさまに否定するくらいなら、期待なんてしたくなかったよ。
麻生君がわたしのことを好きかもしれないなんて……。
そう思ったわたしがバカみたいじゃん。



