明日からまた話せなくなるのは嫌だ。
わたしは麻生君の彼女なんだっていう、ちゃんとした証拠が欲しい。
校門を出たところで、麻生君はピタッと足を止めた。
何が気に入らないのか、怪訝に眉を寄せながらまっすぐわたしを見つめる。
「な、なにか……?」
「敬語」
「え?」
敬語……?
「やめろよ、それ。気ぃ遣われてる感じがしてイラッとする」
「あ……う、うん」
そっか。
嫌だったのか。
気付かなかった。
「今度から気を付けま……っ気を付けるね」
「そうしてくれると嬉しい」
麻生君はそう言って再び歩き出した。
気を遣ってくれているのか、スピードを落としてくれている。
そんな些細なことが嬉しくて、胸の奥がキューッと疼く。
余計に大好きになっちゃったよ。



