「あ、は、はい……っ!ボサッとしててすみません」
机の横にかけてあったカバンを持って立ち上がる。
ーーガタン
勢いが良すぎて、椅子が後ろに倒れてしまった。
わわ、わたしったら。
「ご、ごめんねっ」
ーーバサバサバサ
慌てて椅子を起こそうと屈んだ瞬間、カバンの中から教科書が何冊か滑り落ちた。
きゃー!
わたしったら!
なんてドジなのっ!
「ごご、ごめんねっ!すぐ拾うから」
あーもう!
こんな情けない姿しか見せられないなんて、恥ずかしすぎるよ。
みるみる内に顔が赤くなっていく。
絶対、ドジだって思われたよね。
そんな風に思われたくないのに。
好きな人には、いつだって可愛く見られていたい。
「ぷっ」
えっ……?
屈んだまま恐る恐る麻生君の顔を見上げると、そこには口元を緩めて笑う麻生君がいた。
わ、笑ってる……?
わたしにはいつも無表情だった麻生君が。
笑ってる。



