カンカン照りの中、屋上に来ている人はひとりも居なかった。
誰もいないこの空間が今は落ち着く。
屋上の鍵はかかっておらず、いつでも出入り出来るようになっている。
それもこれも屋上には高いフェンスがあって、その先には有刺鉄線が備え付けられているから。
これを越えるのは至難の技で、未だに実行した人はひとりもいないらしかった。
日影に座り、お弁当が入った袋をギュッと握り締める。
「はぁ」
出るのはため息ばかり。
だいたいね、最初からおかしいと思ったんだ。
今まで誰の告白も受けて来なかった麻生君が、わたしの告白を受けるなんて。
今まで話したことはおろか、目が合ったことさえもなかったんだから。



