「ジンさんっ」
何を言ってるのと睨むと、ジンさんは笑って軽く流してしまった。
「はは。ブラフォードさんのように好青年でも手こずるんですね」
「はい。運命の恋だというのに、子猫は気紛れでして」
誰が子猫だ。
思いっきり不満なオーラを出していたら、鼻孔をくすぐる甘い匂いに思考が停まる。
「蜂蜜?」
「はは。鼻が良いね。ブラフォードさんがベットを見ている間、此方で座って貰おうと思って用意していたんです」
ガラス張りになっている店内に入ると、一番奥にブラフォードさんの探している大きさのベットが既に並んで4個置いてある。
そのすぐ傍に、二人掛けのテーブルが置かれ、紅茶のポットとクッキー、そして砂糖の代わりに蜂蜜が置かれていた。
「彼の紅茶を真似してみました」
「彼ってジンさん」
「はい。ブラフォードさんの煎れる紅茶は丁寧で美味しいですよ。それに彼が一番得意なのは――」
「各務さん。端から順番に説明を聞かせて頂きたい」



