朝の紳士的な喋り方とは打って変わって、乱暴で意地悪な言葉ばかり吐くけれど、今はどうでも良い。
この人、甘くて尊い香りを放つ蜂蜜を、肉の塊に塗ったなんて信じられない。
「チーズと蜂蜜も相性が良い」
そう言って、ピザの生地を作り、焼けたベーコンの蜂蜜焼きを散りばめらせ、チーズを振り掛けた。
そして仕上げにまた蜂蜜。
「ちょっと! 私が食べ歩いて気に入ってる蜂蜜を」
「まあ、ちょっとだけ待て」
手際よくピザも作ると、今度は店の残りだと言っていた野菜を取り出してスープを作りだした。その間にもピザの良い匂いが鼻孔をくすぐっている。
「ぼーっとしてるなら、テーブルクロスぐらい並べてくれないか」
「うちにテーブルクロスはないですが」
「……台拭きは」
「ターブルの端に濡れティッシュがあるでしょ」
「……」
ジンさんは苦虫を噛み潰した顔でぐっと堪えて、小さく息を吐く様に言った。
「やはり、お前には俺が必要なようだな」



