腕まくりして、腕までしっかり洗い、ジンさんは冷蔵庫を開けようとして振り返る。
「開けるぞ」
「あ、やば、ちょっ」
止めるより早く、ジンさんは冷蔵庫を開けてしまった。
「なんだ、これは」
「……」
両親が住むはずだったから、野菜室も麗堂室も別にある三段の大きな冷蔵庫。
その冷蔵庫の中は、――ほとんどが蜂蜜で占めている。
ここら辺のコンビニやカフェ、うちの店がお世話になっていたミツバチを育てている所から直送、色んな場所の蜂蜜を集めては、毎朝違う味の蜂蜜を塗ってパンを食べている。
「お前、パンと蜂蜜と牛乳、卵、バター、珈琲とか、料理できませんってほぼ書いているような冷蔵庫だな、これ」
「は、蜂蜜が好き過ぎて、それ以外は死なない程度に摂取しようかなって」
ジンさんは深く溜息を吐いたけれど、それ以上は言わず白いエプロンを取り出すと腰に巻いた。
そして、保冷バックからブロックのベーコンを取り出すと、トースター板にアルミホイルを引いて――蜂蜜をかけた。
「クッキングシートぐらい買っておけ。ったく」



