無口な君のあいらびゅー



朝起きると、颯斗からLINEが2件はいっていた。


『今日部活来てたの?』

『もう寝てるか。おやすみ』



颯斗からLINEが来るなんて珍しいのに!


少し寝てしまったことに後悔したけど、すぐに昨日の場面を思い出して切なくなった。



私は颯斗にLINEを返さず、そのまま学校へ向かった。



学校へ着くと、心良が私の顔を見て驚いている。


「どうしたのその顔!」


泣きはらした目をしている私の顔はひどい状態だった。


「へへ。ちょっとね」



「市川ぶっとばす」


すぐに席を立ち、教室を出ようとする心良を必死で止め、事情を説明した。



「颯斗が悪いわけじゃないんだ。私が彼女だからって調子乗ってたの。」


「1番親しいのはゆのに決まってんでしょ。彼女なのよ?」


「でも…私あんな笑顔の颯斗見たことないもん」


ほんとに私はあんな笑顔の颯斗を見たことがない。


私といるときは、真顔か寝顔か。
もしくは不敵な微笑みか。


あんなに柔らかい笑顔なんて…


また視界がぼやける。


「何しょげてんの!」


背中をばしっと叩くのは私の男友達の蓮。

蓮は高校で初めてできた男友達だった。

ノリが良くて、バスケ部で蓮も颯斗と同じくらいモテる。


「いったーい!」