無口な君のあいらびゅー



私はグラウンドを後にすると1人で帰り道をトボトボと歩く。


さっきの颯斗の顔が頭から離れなくて気づけば思い出していた。


「颯斗…楽しそうだったな」


私は部活には入っておらず、颯斗の部活にも1、2回しか行ったことがなかった。


その時はマネージャーのことなんか全然目に入ってなくて、颯斗を追いかけることしかしてなかった。


「そりゃあ、マネージャーだもん。選手とは仲いいよね。でも…羨ましいなぁ…っ」



私ももしマネージャーになっていれば、もっと颯斗と話せたのだろうか。


あの子のように笑顔を向けてくれるのだろうか。


考えれば考えるほど苦しくて、涙が出る。



「私は、こんなに好きなのになぁ…」



その日は家に帰るとすぐ部屋に入りベッドにダイブした。