「颯斗…?どうしたの?」
颯斗は黙ったまま私を見つめる。
なんでそんな悲しそうな顔をするの?
なんで苦しそうなの?
私にはどうして颯斗が怒っているのかわからない。
「はや…」
「うるさい。」
冷たく放たれたその言葉に、素直に従って黙ってしまう私。
「なぁ、昨日のやつ誰」
「…へ?」
「昨日仲良く図書室にいたじゃん」
図書室…蓮のこと?
「蓮は同じクラスの友達だよ?」
「だからなんで2人でいたの」
どんどんと冷たくなる颯斗の声。
その声に私もだんだんと視界が涙でにじむ。
「なんで…怒ってるの?」
「はぁ…もういいわ」
ため息をついて鍵を開けようとする颯斗。