Loki【完】








震えた体でどうやって屋上の前のドアまで来たか覚えていない。


先程の事もあり、いつもより迅との距離が近いのは気のせいじゃないと思う。


それに、私の額や瞼や頬に触れるだけの口付けをしてくる彼。


先程から春達が目のやり場に困ると訴えてくるがすべて無視。


はぁ、とため息をついて持ってきた昼食を食べ始めるがやはり此方が気になるのかチラチラ見てくる。


流石に困ったと思い、待てと言うとむすっ、とした顔で自分の昼食に手をつけ始めた。


それを見て私も今朝早起きして作って来たお弁当を取り出す。


綺麗に焼けた卵焼きを箸でつかみ、口の中に入れる。


じゅわーっ、と出汁の味わいが口の中に広がり幸せ気分に一瞬で早変わり。


もう1個ある卵焼きを迅の口元に運んでやると、それに気づいた彼は口を大きく開ける。


所謂あーん、というやつだ。