「書面にある通り、契約者は坂下様のお母さま。契約場所はいまいらっしゃるこのお部屋になります。
ここに住まわれる方の家事代行のご依頼です。担当は、私になっております」
書面に書いてあることを指を指しながら、丁寧に説明してくれるのはわかる。
大事だもんね、そこ!
でも、私が知りたいのはそこじゃない!
「…と、書面に書いてあることは、坂下様が知りたいことではないでしょう。
一応形式的に、お話はさせて頂きましたが」
人の心でも読めるのかな、藤井さんは。
すっと契約書を胸ポケットにしまいながら続ける。
私の城は、今日からこの部屋になる。
契約期間は、私が家事一般をひとりで出来るようになるまで。
正確な契約期間はなく、できるようになったか見定めるのは藤井さん。
母からもらった鍵は実家のスペアキーで、このマンションでは使えない。
変わりに使うのが、カードキー。
そして、契約期間のお金は家賃・契約料を支払わなくていいと破格な答えが返ってきた。
絶対に何かある。
なかったら逆に吃驚する。
「御社では、契約期間も定めず、お金も支払わなくていいなんてサービスまで行っていたのですね。知りませんでしたわ」
「そうですね。知らなくて当然だと思いますよ。これは、私だけ行えるサービスなのですから」
すっと胸ポケットに手を伸ばし、封筒を出してきた。
開封するよう促され、開けてみると手紙が1枚と写真が1枚。
目に入った写真から見てみると、振袖を来た女性が笑って映っていた。
…て、これ、私!?
慌てて手紙を開いて目を通すと、私の釣書だった。
何故、これを藤井さんが持っているのか?
その前に、私はお見合いなんてしてないし!
吃驚のレベルが違いすぎる!!
「自分はお見合いしていなくても、今は親同士がお見合いをするそうですよ。
そして、私の両親は坂下様のご両親と意気投合し、釣書と写真を交換したそうです。
その様子ではご両親がお見合いしていたことも、私が貴方のお見合い相手ということも知らなかったようですね」
「知りませんでしたが、私はお見合いはしませんので…」
「それは困ります」
トンと肩を押され、ソファにもたれかかる。
いつの間にか私の前に来た瞳人は、顔の横に手をついた。
せめて目だけは逸らそうとするが、捕らわれたかのように逸らすことが出来なかった。
何故、そこまで真剣な目で見るの…?
「貴方以外この見合いには賛成なので、お見合いの日取りももう決まっています。
そして、お母様との私の会社との契約はお見合いをすることが前提で話がまとまっています。
契約を解除して見合いも破棄しようとするのであれば、お母様とお話合いをするしかありません」
「なら、母と話してきますので…」
この状態から早く逃げたい。
今の話が本当なのか、母に確かめたい。
そんなの嘘に決まってるじゃないって笑い飛ばしてほしい。
「ああ。坂下様のご両親でしたら、ヨーロッパ旅行に行ってくると言ってましたよ。
来春様が家を出たら出発すると仰っていましたので、もう飛行機の中かと」
金槌で頭を殴られたような衝撃を受けた。
試合開始から10分足らずで、試合終了のゴングが頭に鳴り響く。
その様子を見てクスリと笑い、瞳人は私の前からどいた。
「暫くはお話することは不可能ですよ。諦めて、ここで暮らして下さいね」
ここに住まわれる方の家事代行のご依頼です。担当は、私になっております」
書面に書いてあることを指を指しながら、丁寧に説明してくれるのはわかる。
大事だもんね、そこ!
でも、私が知りたいのはそこじゃない!
「…と、書面に書いてあることは、坂下様が知りたいことではないでしょう。
一応形式的に、お話はさせて頂きましたが」
人の心でも読めるのかな、藤井さんは。
すっと契約書を胸ポケットにしまいながら続ける。
私の城は、今日からこの部屋になる。
契約期間は、私が家事一般をひとりで出来るようになるまで。
正確な契約期間はなく、できるようになったか見定めるのは藤井さん。
母からもらった鍵は実家のスペアキーで、このマンションでは使えない。
変わりに使うのが、カードキー。
そして、契約期間のお金は家賃・契約料を支払わなくていいと破格な答えが返ってきた。
絶対に何かある。
なかったら逆に吃驚する。
「御社では、契約期間も定めず、お金も支払わなくていいなんてサービスまで行っていたのですね。知りませんでしたわ」
「そうですね。知らなくて当然だと思いますよ。これは、私だけ行えるサービスなのですから」
すっと胸ポケットに手を伸ばし、封筒を出してきた。
開封するよう促され、開けてみると手紙が1枚と写真が1枚。
目に入った写真から見てみると、振袖を来た女性が笑って映っていた。
…て、これ、私!?
慌てて手紙を開いて目を通すと、私の釣書だった。
何故、これを藤井さんが持っているのか?
その前に、私はお見合いなんてしてないし!
吃驚のレベルが違いすぎる!!
「自分はお見合いしていなくても、今は親同士がお見合いをするそうですよ。
そして、私の両親は坂下様のご両親と意気投合し、釣書と写真を交換したそうです。
その様子ではご両親がお見合いしていたことも、私が貴方のお見合い相手ということも知らなかったようですね」
「知りませんでしたが、私はお見合いはしませんので…」
「それは困ります」
トンと肩を押され、ソファにもたれかかる。
いつの間にか私の前に来た瞳人は、顔の横に手をついた。
せめて目だけは逸らそうとするが、捕らわれたかのように逸らすことが出来なかった。
何故、そこまで真剣な目で見るの…?
「貴方以外この見合いには賛成なので、お見合いの日取りももう決まっています。
そして、お母様との私の会社との契約はお見合いをすることが前提で話がまとまっています。
契約を解除して見合いも破棄しようとするのであれば、お母様とお話合いをするしかありません」
「なら、母と話してきますので…」
この状態から早く逃げたい。
今の話が本当なのか、母に確かめたい。
そんなの嘘に決まってるじゃないって笑い飛ばしてほしい。
「ああ。坂下様のご両親でしたら、ヨーロッパ旅行に行ってくると言ってましたよ。
来春様が家を出たら出発すると仰っていましたので、もう飛行機の中かと」
金槌で頭を殴られたような衝撃を受けた。
試合開始から10分足らずで、試合終了のゴングが頭に鳴り響く。
その様子を見てクスリと笑い、瞳人は私の前からどいた。
「暫くはお話することは不可能ですよ。諦めて、ここで暮らして下さいね」
