「アパートに行きたいって、ヤクザ辞めたりとか困りますよ?」
「わかってるよ、新庄」
俺がヤクザになって少しして入ってきた新庄
こいつは俺の側近として気が許せた
だから、慎への想いを絶つためにアパートに行くのも新庄を連れて行った
「止めろ」
あれから3年、俺は20になっていた
3年たっても変わらないボロアパート
いろんな慎との記憶が蘇る
ボーッと部屋を見ていると突然扉があいた
驚いたなんてものじゃない
違う。そう自分に言い聞かせた
慎がここにいるはずない
あの時…三年前におばさんの家に
「本当にありがとう。空くんがいてくれると慎も嬉しそうだし…
私ね、旦那とは駆け落ちなの
だから実家とも連絡とってなくて…慎を助けてあげたいのに、できないの
頼れない…だから、空くんが負担にならない限りでいいから
もし私に何かあったら慎を守ってあげて欲しいの」
「もちろんです…」
三年前、あの日の少し前に慎の母親から言われた言葉を思い出した
慎は駆け落ちだなんて知らないだろう
もしおばさんの所で知らされていたら…
気まずくて家にはいられないだろう
なんで…どうしてこんなことを忘れていたのか

