俺は自分の性格を理解している
負けず嫌い
弟なんかにあんなこと言われてプライドが傷つかない訳ない
慎はおばさんの所で暮らすんだろう
どうせあのアパートで1人なら…
「わかった。継いでやるよ」
そう言ってる自分がいた
慎があのアパートに1人でいることなんて知らずに
1人膝を抱えてただ俺だけを待ち続けてることなんて知らなかった
ヤクザを継ぐと決めてからの俺はまるで人が変わったようだった
無心で仕事をした
仕事仕事仕事
毎日を仕事に打ち込んで
必死に慎を忘れようとした
そんなことできないのに
親父はヤクザの幹部だった
その幹部の座を守るために俺は継いだらしい
橘さんも凛さんも周りのヤクザもみんな優しかった
悔しいけど親父の言ってたことが少し分かる気がしてきた
俺の気持ちにも少し余裕ができたころ、久しぶりにあのアパートの前を通ってみることにした

