微笑んだ先に咲く花






そんな生活が2週間ほど続いたあるとき





「お兄ちゃん、私ね、おばさんと一緒に住めるかも」




突然のカミングアウトだった



「…よかったな」



そう言うだけで精一杯だった



頭の中は真っ白で、もう俺は必要ないと言われた気がした




でもそりゃそうだ

どこの馬の骨とも分からない男に任せているわけにもいかないだろう



くると思ってたけど、辛いな



「今日ね、会ってくる」



そう切なそうに笑う慎

んな顔すんなよ。
引き止めちまうだろ




「じゃあ、行ってくるね」



バタンッ



閉まったドアを見て
しばらく動けなかった




ピピピピッピピピピッ



静かになった部屋に携帯の音が響いた



「…なんだよ」


「兄貴…」


俺の弟からだった
なんとなくわかる


「兄貴…父さんが死んだ」



だろうな。



俺はとにかく冷静だった



冷静に冷静にクソ親父の葬式を済ませた




「兄貴…家、帰ってきてくれよ」




葬式終わりにアパートへ帰ろうとしていると弟が俺の手を掴んだ



「母さんも帰ってきてほしいって…」



「お前も俺に継げってか?」


手を振り払う


「違うよ!ただ兄貴に帰ってきてほしいだけだ」


「じゃあ、断る」



扉に手をかけた




「…逃げてんじゃんか」



ピクッ


「は?」


弟を睨む


「逃げてんだよ兄貴は!父さんから!俺は知ってるよ、どれだけ父さんがヤクザに誇りもってるか。でも兄貴はそれを見ようとしてないだけだろ」




…なんだよ



「お前に何がわかんだよ…」



跡継ぎのためだけに育てられた俺の気持ちが…


「なら、向き合ってよ。父さんと、ヤクザと向き合ってよ!」