家になんて帰りたくなかった
でも死ぬ前に馬鹿な面でも見てやろうと思って帰った
「…兄貴!!」
家に帰ると出迎えたのはたった1人の弟
「ただいま」
…こいつには尻尾でもあるのか。
フルフルと揺れる尻尾がみえる
こいつは昔から俺にベッタリだった
でも俺はこいつが嫌いだ
俺は跡継ぎだと言って厳しく育てられた
こいつは好きなことをして生きている
俺が求めたものをこいつは何でも手に入れた
それも気に入らない
「親父は?」
「父さんなら病院だよ。兄貴も行くだろ?俺も今行くところだったんだ」
そういう弟に甘えて病院まで連れていってもらった
「父さん、兄貴が来たよ」
楽しそうに病室で言う弟の声が聞こえて入りにくい
「兄貴、はいってよ!」
弟に手をひかれて病室にはいると
俺を厳しく育てたクソ親父の面影はなく、弱々しいおじいさんが寝ていた
「親父」
「空か…久しぶりだな」
俺は知らない
こんな弱々しいジジイ知らねえよ

