「しーちゃん、久しぶり…」



散々お兄ちゃんの腕の中で泣いた私をまだ抱きしめながらお兄ちゃんはゆっくり話した





「あいたかっ…た…お兄ちゃんにずっと…会いたかった…」



「ごめんね、しーちゃん。お腹、まだ痛むの?」


「…ちょっとだけ」



「そっか…」



「私ね、ずっとお兄ちゃんを探してた。会いたくて会いたくて…

…どうして?どうして私から離れていっちゃったの?嫌いだった?」



また少し涙目になりながら、でも涙は流さないようにお兄ちゃんを見る





「違うよ。嫌いになんてならない。…お父さんにね、家に帰ってこいって言われたんだ」



当時隣に住んでいたお兄ちゃんは一人暮らしだった



幼いながらに何故家族といないのか聞いてはダメだと思って聞けなかった