次の日、私は早く目が覚めた


「…まだ5時だ」


ここから歩いて学校へ行くとしても30分ほどで着く



何しようかな

いろいろ考えていると



「…しん?起きたのか…?」


少し上の方から声がした


「あ、すみません起こしちゃいましたか?」



申し訳なくてそう言うと、うん。だって



「あの、朝から申し訳ないんですが、そこは違うよとか言うんじゃないですか?」


「じゃあ違う」


…有さんはいい人なのか何なのか



「おい、まだ早いから飯食いに行くか?」


「有さんいい人でした」


「は?なんだよそれ、」


「…心の声です」





その案に賛成して私たちは朝5時からドライブ兼朝食に向かった


「そのまま学校送ってやるから制服着ろよ」


という言葉通り制服を着て









「どこ行くんですか?」


車に乗り込むや否や聞いた


「んー…知り合いがバーをやってる。」


「バーって、夜じゃないんですか?」


「酔ってる奴いるからな、7時まで開いてる」



なるほど
バーとか行ったことない…


緊張するけど、ワクワクも止まらなかった




「着いた、降りろ」


車で約15分
着いた店はイメージ通りのバーだった



カランッ


ドアを開けると微かに鈴の音が聞こえた


恐る恐る有さんの背中に隠れながら入る




「おい、孝、何か飯作ってくれ」


カウンターの中にいる男の人に有さんが声をかけるとコチラを見た


「うわぁ…」


つい声がでるほどかっこよかった



身長はたぶん180以上あって髪は明るい茶色、目が切れ長で雰囲気が大人って感じで…とにかくかっこいい



「わかった…って制服の子に手出すなよ」


有さんの後ろから顔を出して見ていると目がバッチリ合った


にっこり笑ってくれるのと対照的に有さんにはキツイ言葉をかける



「俺のじゃねぇよ、空さんの彼女。
学校行く前に何か食わせようと思って…何がある?」


有さんがカウンターの席に座ったので隣に座る



「そうだな…フレンチトーストとか?」


好き?そう聞かれて頷くことしかできない