「有さん、そんなに気遣わないでください」



あの後気まづくなった私と有さんは部屋を出てキッチンに来た




初めてあった時からは想像もつかないほど有さんが話し掛けてくれる




約束通りプリンもくれた



今は9時でキッチンには私と有さんしかいない






「有さんはプリン食べないんですか?」


「いや、俺、はいい」


さっきから目を合わせてくれない


そんなことされた方が…



「別に気にしてませんからいいんですよ」


「いや、でも…」


「有さんが優しいなんて嫌ですよ」





そう笑うと有さんがやっと目を合わせてくれた


「俺はいつも優しいだろ」


「よく言えましたね」




目を見合って笑った




「今日は俺の部屋で寝たらいいよ」


プリンを食べ終わってお茶を飲んでいるとそんなことを言ってきた




「あんだけ男いたら寝ずらいだろ?俺ここで寝るから」


「なんて紳士的な…でもいいです。私がここで寝ますから」


「いいよ、一応女子だろ」


「…一応は余計です。」


「遠慮しなくていい。」


「そうですね…じゃあ有さんの部屋に布団敷いて寝ます」




ちょっと強めに言うとやっと納得してくれたらしい


「じゃもう部屋行くか」



1時間くらいキッチンで遊んでから有さんと部屋に向かった










ガチャッ


「…入れよ」


「…お邪魔しまーす。あれ」



なんだよ。とちょっと不機嫌そう



「いや、私この部屋好きですよ」


「何が」



有さんの部屋は白や青を基調とした部屋だった。ベッドも黄緑で可愛い



「ずっと黒い部屋だったから明るくて落ち着きます」



嬉しくなって青い座布団に座った

本棚があって、結構難しそうな本がある


部屋を眺めていると後ろから有さんに軽く叩かれた



「痛いじゃないですか」


「ジロジロ見んじゃねぇよ」




そう言いながらも私にカルピスのペットボトルを渡してくれた


「ありがとうございます。何か、有さんのイメージ変わります」


「慎の中ではどんなイメージだったんだよ」


有さんが声を出して笑う

つられて私も笑ってしまった