微笑んだ先に咲く花






「そうだ!空!約束覚えてるか?」


凛さんから逃げたかったのか田中くんがこっちに話題を振ってきた




「約束?なんのことです?」


「約束しただろ?夜呑みながら話そうって」


「失礼ですけどそんな約束…」




「…あ!」


考えていたらつい声が出てしまって、急いで口を塞ぐ


「どうした?慎?」


「いや…私が約束しちゃって…」


「慎が?」


「そう…ごめんなさい」


改めてごめんね。と言うと大丈夫だと示すように私の髪を梳いた




「若、約束ですが、」


「断るとかぜってぇダメだぞ!俺達はもう酒買ってきたんだよ!」



な?田中くんが剛さんを見る



「まあそうですね。別に空いなくても慎ちゃんすらいればいいよな」

「ちょ、兄ちゃんそんなのいいわけないだろ」

「そうか…じゃあどうするんだよ」

「…空さんを締め落とす」

「おい、んなことしたら俺が殺されるだろ」

「じゃ他に何か手あんのかよ」

「ねぇよ」

「兄ちゃん、やるしかねぇな」

「腹括るか。」




「っておい!!ミニコントやめろよ馬鹿兄弟!!」


今度は田中くんが立ち上がった


「お前らな、空を締め落としたら慎ちゃん悲しむだろうが!よく考えろよ!酒で潰せばいいだろ」


ニヤリと効果音がつきそうな笑みを浮かべている



「…んの馬鹿息子!!!!」


今まで黙って見ていた凛さんが立ち上がって田中くんの胸ぐらを掴んだ



「馬鹿息子、酒呑むのも空を潰すのもいいけど、慎ちゃんに変なことしたら二度と話せないようにするぞ」



震えている田中くんに凛さんがわかった?と聞くと首を何度も縦に振っている



「はあ、しょうがないわね。ほどほどにするのよ?」


しばらくして凛さんの手が離れて安心したようだった


「おい、弘、ってことは…」

「だな!俺ら慎ちゃんと話せるぞ!!」

「ッシャァァァァ!!!!」

「我が弟も若も落ち着きなよ、夜に体力残しとかないとな」



とても嬉しそうな田中くん、廣瀬くん、剛さん。



というか、空の体調を誰も気にしてない…

私たちの意見はないんだなと感じた



半ば諦めてご飯に目を向けたときコトンと茶碗を置く音がした

続いて椅子から立ち上がる音


田中くんと廣瀬くんと剛さん以外の皆から音が消えた



その方を向くと…