微笑んだ先に咲く花







とにかく急いで足を前に進めた


振り返っちゃダメだ
振り返ると過去が私を覆いそうで怖い




もう1人じゃないんだ、空がいる
空は私を待っててくれるから
会いたいと思っててくれたから



何も考えないようにしてやっと着いた


なんかそれだけで泣きそうになった




ガチャッ


「…ただいま帰りました」



凛さんたちもいるからゆっくり玄関を開ける



「あ!やっと帰ってきた!…空!慎ちゃん帰ってきたぞー」



リビングから飛び出してきたのは田中くんで、振り返ってリビングに叫んでる



すぐにバタバタバタッと走ってくる音がして少し不安そうな空がいた




「慎、おかえり…」


安堵したような顔で言った


「空、ただいま」


それに応えるように笑顔で言う




「慎ちゃん!中に入ってきてー」


ほんわかしてると凛さんの声が聞こえた




「今行きます!」


靴を脱いで空の手をひいてリビングに入る


入ると、もうすでに皆さん勢揃いしてた


今か今かとご飯を待ち構えている人達
焦るなよ、と冷静な人達

それを見守る新庄さん


皆揃ってて、もしかして


「私のこと待っててくれましたか?」


「もちろんじゃない!さ、食べましょ」



凛さんは当たり前みたいな顔をしてその場に立った


ぼーっとしてると空に席に連れて行かれた




「それでは、今日は慎ちゃんが作ってくれたのよ?有り難く食べなさい!

はい、いただきます」


「「いただきます!」」


凛さんの掛け声と共に約20人のヤクザさんが復唱して箸をもった



するとみんな凄い勢いで食べていく



グイッ


隣に座った空に服を引っ張られる


「どうしたの?」


「出掛ける時は言うって…」


伏し目がちにそう言った



「ごめんね、空が気持ちよさそうで。

でもちゃんと出掛ける前に空の髪撫でに行ったんだよ?」


「そうなのか…」


「そうだよ、私ね、空の黒髪を触るの好きなんだ。」



黒以外を映そうとしない黒髪
それが妙にサラサラで、気持ちいい



「…うん。」


あ、照れてる


「そういえば、熱は下がった?」


「まだだけど、微熱だよ」


おでこを触るけどそんなに熱さはない
下がったんだ


「良かった…」


「慎が看病してくれたから、ありがと」


空は私の大好きな笑顔で頭を撫でてくれた


「俺も昔から慎の頭撫でるの好きだよ」


…なんか照れる







「おい空!飯食ってんのにいちゃつくな!」


「あんたは口に入ってるのに喋るな!」


「…ごめん」



田中くんと凛さんのやりとりに皆が微笑ましく見てる