微笑んだ先に咲く花






「大丈夫?熱上がっちゃった?ほらうどん食べて薬飲んでもう一回寝よ?」



きっと今のは熱のせいで甘えちゃったんだな




「はい、空うどん食べて?」


空の体を起こさせてお盆を膝に乗せようとしたけど、


「空、手離してくれないと」


その手はちゃんと掴まれていた


下を向いているので空がどんな顔してるのかは分からない




「空くん」


「熱だからじゃない」


「うどん食べない?」


「食べるけど、約束して

男に誘われても、どこにも行かないで…」



真剣な目で見つめられる


「うん…分かってるよ」


「慎のこと誰にも渡したくない。」


「ごめんね」



バンッ!!!!



「…!!」


突然扉が開いて空に抱きついてしまった



空も驚いていたがその人物を見るとだんだん顔をしかめていく






「なんだよ心配して来てやったのに女連れ込んでんのかよー」



いかにもチャラそうなお兄さんがいた




「何しにきたんだよ剛」



剛と呼ばれた人はヘラヘラ笑いながら私の前に来て、顎をすくいとった



自然と私と剛さんの視線が絡む



…剛さんは茶髪でワックスつけまくりの髪型だけど目は切れ長で唇は薄く、品のあるかっこよさだった



空もかっこいいけど、剛さんもかっこいいんだな…



「っおい!離せよ剛!」



見とれていると空に手を強く引かれて剛さんから離された



「もーなんだよ空は、
今恋が始まりそうな感じだっただろ?」




見つめ合った時とは違い、またヘラヘラ笑っている



「始まんねぇよ!!」



空はさっきまでの体調が嘘のように剛さんに威嚇している



「はいはい、てかさ、君もしかして春川慎ちゃん?」



「え…」


「なんでてめぇが慎の名前知ってんだよ」



「そんな怒るなって。
俺の弟が多分同じクラスなんだよ」



ヘラヘラ笑いながらも私を真っ直ぐ見てくるその視線から目を逸らした