「空は絶対に私から離れないと警察に言いました
自分が離れるなら私を連れては行かせないと
警察が折れてその条件にのりました
その後、いつもの笑顔で空が私を見て言いました。大丈夫だよって
その言葉がすっごく嬉しくて。心が温かくなる気がして」
私の大好きな手で私の頭を撫でてくれた
「警察に行く前に空は私の手を洗ってくれました
母の血がベッタリついた手を流し台で一生懸命洗ってくれました
自分の手に血がつくのなんて気にしないで…でも血って、なかなか落ちないんですよ
洗っても洗っても落ちない血が私は怖かったです
血に染まった手が空の手まで汚していきました
それが嫌で手を引こうとしても空は手を離してくれなくて、ずっと落ちるまで洗ってくれました
血は綺麗に落ちました
でも脳裏に残ってるあの記憶は消せなくて」
目の前で倒れる母を救えなかった自分を何回も何回も責めた
「…だから血がダメなの?」
申し訳なさそうに聞かれる…
「違います。
私が血を嫌いになったのは、その後なんです。」
あの事件が…あの血が…自分が…
「父と母と空を私から引き剥がしたから」

