「…ちょっと重いですよ?」
最初に2人に確認をとる
そして2人にの同意を得てから話し始めた
空をお兄ちゃんと呼んでいたあの頃の出来事について。
「…私、血がダメなんですよ。
指先からでてる血も、擦りむいた所からでてる血も、とにかく血がダメで
昔、私が10歳の頃に父親が私を殺そうとしたんですよ
それを庇って母親が私の目の前で刺されました。元々虐待は受けてたんですけど、毎回母が守ってくれてて
あの日もただの虐待で終わるはずだったんです。でも私が、殴られた後に終わったと思ってホッとしたんです
それが父親の勘に触ったらしくて…包丁をもってきました
本気で死ぬって思いました。でもその瞬間に母が私を庇って刺された
母を何回揺すっても、声を掛けても反応はありませんでした
父親も動揺して包丁を持ったままで」
目を瞑ると今でもあの光景がはっきりと脳裏に浮かぶ
「そうして時間が経った時、家のドアがノックされました
…空だったんです
父親が止まらなくなると度々空が私と母を助けてくれてたんです
だからあの日も気にかけてくれて
その場で動けなかった私と父親を見て空は冷静に動いてくれました
包丁を取り上げて、警察を呼んで、救急車もきました
母は結局亡くなりましたけど…
その場にいた私に警察は事情を聴きたいと言ってきました
今思えばそんな非常識なことって怒れますけど、実際何にも考えれなくて。
言われるがまま着いていこうとしたら、」
覚えている
私の前に立って私を守ってくれた背中
警察にも負けじと私のために…
振り返って、大丈夫だよって言ったあの笑顔を
覚えている

