未だ動かない、雷翔の耳にふと 〝何やってるんだ!役立たず! クソが! とっとと動け、雷翔! 本当、お前ダメだな。 使えない…一からやり直せ クズ〟 雷火の罵倒が蘇る。 〝悪い…言い過ぎたな。 お前は大事な息子なんだ。 ちゃんと、お前のことは大事に思ってる。 いつも、相手してやれなくてごめんな。 外に遊ばせてやれなくて、悪い…。 お前のことが一番この世で大切だからな。〟 雷火の優しかった言葉が蘇る。 「父さん…」 うつむいている雷翔の瞳から一粒の涙が落ちる。