雷翔は、未だ呆然としていた。
(信じられない…。
信じたくない…。
目の前にいる子が、俺のクラスメイトの…俺の好きになった…俺の姫にしたいと思った…
伊吹 莉茉だなんて…!!
)
雷翔が考えていることとは裏腹に現実は、ものを告げる。
学校でよく見るハニーブラウンのボブと、目元にある小さなホクロの位置が同じ。
そう、現実は言った。
蒼竜は、伊吹 莉茉だと。
動きを見せない雷翔に、しびれを切らしたのか、蒼竜が
「おたくの、総長さん動かないね?
じゃあ、潰していいの?
もうさ、潰したくて潰したくてウズウズしてたんだよ…!
情報だって、お前たちに来てもらうために、ロックを緩めたんだから…!
ハッキングも下手なのな…!
はぁ…、もうさ呆れるよな。
暴走族の価値がだだ下がり」
「てめぇ!俺らが何も言わないからって…!!
おい、雷翔!!!
何やってんだよ!?!
おい!目を覚ませよ!!!」


