それは、莉茉だ。
「あ、ねぇ
それとさ、密かにすごーいかすかだけど俺に殺気を漂わせてる人…いるでしょ?
誰ー?」
笑顔で聞く春希。
それに対してみんな懸命に顔を横に振る。
莉茉は、ハッとして殺気を消す。
「あれー?
みんな違うのー?
気のせいかな…?
まぁ、いいや。
先生ー、俺の席どこ?」
「あ、えと
1番後ろの伊吹 莉茉っていう女子の隣だな」
「え、何それ」
「羨ましい!!」
「莉茉ちゃんの隣なんて最高じゃん!!」
クラスの男子は羨ましがり、女子は少し残念そうにする。
え…。
莉茉は、心の中で舌打ちをする。
「えーと、伊吹 莉茉ちゃんってどこー?」
莉茉は、仕方なく手を挙げる。
満面の作り笑顔で。
「はーい♡
わたしが、伊吹 莉茉だよー?」


