「沙耶…っ!
圭…っ!
すぐにあの部屋へ」
莉茉…蒼竜は顔を引き締め、小さな扉を指差し、沙耶と圭を押す。
そんな蒼竜の腕を沙耶がつかむ。
「待って…っ!
莉茉…、ううん蒼竜。
絶対に死なないって、約束して…?」
沙耶がそっと蒼竜の小指を絡める。
「…うん…、約束」
「気ぃつけろよ。
お前が死んだりしたら、学校生活つまらないんだからな」
「ふっ、素直じゃないな」
「な、もう、蒼竜になってんのかよ!」
「じゃあ、行ってくる」
蒼竜が服をひるがえしてさっそうと暗闇に消えていく。
そして、ゆっくりとフードをかぶる。
その背中は、美竜と春竜を失った時のように曲がってはおらず、スッと伸びた背中は、少し大きく見えた。
バタンッ
「お願い…。
死なないで…!!」


