そこへ
「おーい!
席つけ〜!野郎どもー!」
スパァンッ!
声と共に中年でごく普通にいそうな教師がドアをかっこよく開けっぱにして入ってくる。
「先生、うるさ!」
「ガラガラなるようなドアでなんでスパァンッて鳴るの?おかしくね?」
「あ?!先生壊してんじゃね!?」
生徒が口々に話し始める。
先生はそれを見事にスルーして続ける。
「転校生の紹介だー!
男だぞー!入れー!」
—————ガラガラ
「これが、正しい開け方だよね」
「それな」
ドアの隙間からゆっくりと赤い上履きの先端が見え、顔が入ってくる。
その入ってくる顔でみんなの顔がこわばり始める。


