「
俺たち、1回だけある族に負けてるんだ。
その族が…
蒼水蓮なんだ」
莉茉は、下を向きほくそ笑む。
(あいつが、やっと蒼水蓮との負けを認めた。
でも、わたしたちはその後…)
「その蒼水蓮からの黒い黒い汚点が、許せなかった。
その当時、俺は7歳だったんだ。
その蒼水蓮には多分…同い年だったと思う女の子が1人いたんだ。
確か
蒼竜って呼ばれてたかな?
俺は、その子の腕を刺した」
沙耶は、少し息を呑む。
莉茉は、冷ややかな目でその話を聞く。
「
その子は、そのあと倒れた。
俺は、その子を殺したと…思った。
でも、違った。
あの子の生命力は凄まじかった…。


