「えー?そう?
てかさ?別に上履きなんかなくても生きてけるでしょ。
そんな、針の生えた床を歩くわけじゃあるまいし?」
「…うん、まぁ、そうだけど…。
少なくとも、これからこういうイジメは続きそうね。
なるべく危機感を持ちなさい。
相手を挑発させて悪化させないように気をつけなさいよ?」
「はいはい〜、もう、沙耶は心配症なんだから…」
めんどくさそうに言い、莉茉が歩き出すと…
トサッ
「俺の上履き貸すよ」
莉茉の足元に上履きを置く春希。
「え、いらない。
くさそう!」
「は?ちょ、それは失礼だろ!
即答かよ!!
くさくねぇよ!
万が一ガラスとか落ちてたらあぶねぇだろ!」
「春希君やるなぁ〜!」
ニヤニヤとする圭の口を春希は慌てて抑える。
「べ、べつに深い意味なんか…!!」
「ほー、そっか。
なるほどね。
分かった。ありがとう!」
あっさりと返事する莉茉にホッと肩を撫で下ろす春希。


