あの日は、どこか家族みんなが神妙な顔をしていた。





その時、俺はまだ7歳。





そんなことは、まだ察知出来なかった。




すると、急にママである美竜が俺を呼ぶ。


「莉茉…いえ、蒼竜。

今日は、大事な会議がこの後あるの。


ママとパパとお兄ちゃん達で参加するのだけれど、

莉茉と弟の桜竜いえ、結翔はまだ小さいからケガするといけないから、

この部屋で待っていて欲しいの。


ママがいいよって言うまで出てきてはダメ。


約束できる?」


美竜は、いつになく真剣な顔で俺に話しかける。


「わかったわ!ママ!


莉茉は、ママにいいよって言われるまで静かにこのお部屋で待ってればいいのよね?」


「そうよ。
どんなことが起こっても…音がしても…よ?」


「分かったわ!
ちゃんと結翔のお世話をして待ってるわ!」


笑顔で答える俺に、美竜は寂しげな笑顔で、俺の頭を優しくなでる。


パパこと、春竜も俺の頭を愛おしげになでる。