下剋上しまーす!




蒼竜はしぶしぶフードをとる。


短い髪の毛が風でなびく。



そして、スラリとした鼻、鋭い紅い瞳が公に顔を出す。

横顔は、男に見えるほど。


「え…アレ、莉茉ちゃん?」

「目の色、紅くね?」

「…かわいいというより、かっこいい?」


生徒がざわめき始める。


そんなざわめきをシカトし、不機嫌な顔でパーカーを脱ぐ。


「っ!」


目の前に立っている雷翔が少し顔を赤らめながら目を背ける。


生徒も蒼竜の体に目を見張る。

なんと、パーカーの下には胸に包帯を巻いた、暴走族の格好そのもの。