放課後
「うーん!終わった〜!!
沙耶〜、帰ろう〜!
送るよ〜!」
「お、本当に?!
やった!楽しみ♬
莉茉の後ろ乗るの好きなんだー!」
「今日も、沙耶のご飯楽しみにしてる〜!!」
「分かった分かった!
圭呼んでくるね」
沙耶は、顔をほころばせて圭のところに行く。
そんな沙耶を莉茉がニコニコと見ていると、春希が近づいてくる。
「りーまちゃん!だーれだ!」
莉茉の目を隠しながら、無邪気に聞いてくる。
莉茉は、ため息をつき手をどかしながら
「春希くんでしょ?
分かってるから、手を離して?」
「正解!
じゃあ、ご褒美に俺と帰らせてやるよ!」
「うわっ、ご褒美どころかペナルティーにしか聞こえない〜」
「わー、きついこというなー!
そんな、莉茉ちゃんも好きだけどね!
よーし、意地でも莉茉ちゃんについて行こうっと!」
そんな言葉を聞いて、莉茉は考えこむ。
このまま、避けても追いかけてくるかもしれない…。
それはそれで、面倒だ…。
素性がバレてしまう。
「……!!
そうだ!」
莉茉はニッコリと微笑むと
「いいよっ!
一緒に帰ろっか!
ううん!莉茉!
春希くんと帰りたいっ!」
そう言いながら、春希の腕を自分の胸元に寄せるように引っ張る。
そんな莉茉に春希は顔を真っ赤にしながら伏せる。
「そ・の・ま・え・に!
莉茉ね、先輩のクラスに用があるの!
一緒に来てくれる?」
「え、なんで、俺が?」
「莉茉を守って欲しいの!
ダメかな…?」
莉茉は目に少し涙を溜めて上目遣いで春希を見つめる。
「っ…つ!!
やめろよ、その顔…。
理性崩壊狙ってるだろ…。
…分かったよ、行くから」
「本当に!?
やったぁ!ありがとう!」


