それからというもの、春希のアピールが始まる。
一応、確認しておくが
春希がここに来たのは今日が初めてである。
休み時間
「沙耶〜!あの…「莉茉ちゃん!
莉茉ちゃんってどこらへんに住んでるの?」…沙耶、あっち行こう?」
「え、莉茉ちゃん
シカトやめよ?ねぇ?
お願い…シカトやだ…」
春希の悲しげな声に対して、見向きもせずに
「春希くん、ごめんね?
莉茉、今沙耶に用があるの。
あとでにしてくれる?」
「分かったよ!
ちゃんと、終わったら言えよ?」
このやりとりが毎回休み時間ごとに続く。
周りの女子は、春希が莉茉に夢中のため、話しかけに行けず
男子は男子で、まともに春希と話そうとしない。
莉茉は苛立ちがフツフツとたまる。
それに気づかず、春希はめげずに話しかけに来る。


