何度だって咲かせよう(仮)


「…彼氏くんとはクラス離れちゃったの?」

隣から突然投げかけられた質問。

「えっ?彼氏?」

少し慌てながら芽依子は聞き返す。悠馬を彼氏だとシバくんに言った記憶はない。

「ハハッ!めいちゃんって純粋だなって思ってたけど、やっぱりそうだ」

褒めているようには聞こえなかったため、少し顔をしかめる芽依子。

「ごめんごめん、馬鹿にしたつもりはないんだ。転校生ってだけで話題性あるのに、桜田くんイケメンでしょ?だからみんな知ってるわけよ。相手がめいちゃんだってことも含めて」

そこで初めてハッとした。悠馬は転校初日から女の子に囲まれていたこと、きっと前の学校でもモテていただろうこと、今でも悠馬のことを好きな子がきっと多くいるだろうこと。いろんな可能性が頭をよぎる。

「何にも知らない俺が言うのもなんだけど、二人はもっと話し合ったほうがいいと思うよ?」

「え?」

「桜田くんは本気でめいちゃんのことすきだって伝わってくる。言葉にしてるかはわからないけれど。でもめいちゃんは何か不安なことがあるんでしょ?」

話し合う…たしかにお互いが避けてきた道。御子柴に言われる前から気づいていたことだった。

「うん、今度ちゃんと聞いてみる」

ポツリとつぶやいた芽依子の声は頼りのない、小さなものだった。