『ただいま。』 僕は靴を脱ぎながら かなり間の抜けた 声で言った。 「おかえり〜」 声の主は姉の柚琉(ユズル 『…うん。』 僕は適当に 返事をして 自分の部屋に向かった。 「…っちょっと!!」 僕が2段目の階段に足を 掛けたところで姉に 腕を掴まれた。 …痛いな。 『……何?』 僕は演技でもなんでもない なんとも言えない表情で 振り返った。