「お前.まだ居たのか…?」


深夜1時を過ぎているのに
親父が店に入って来た。


「おぅ…どうしたんだよ?」


「いや…母さんがまだお前が店に
居るみたいだって言うから…。」


「悪い…もう帰るよ。」


「それより納得がいく
ケーキは出来たのか?」


「今の俺の腕じゃ
これが限界だよ。(笑)」


「はっきり言って技術は
まだまだ…だな。」


「……。そんな事.言われな
くてもわかってるよ。」


「でも…いいんじゃねぇか。
隼人と心ちゃんの為にお前
が一生懸命.作ったんだろ?
世界に一つしかないお前の
心が込もったウエディング
ケーキだ。
隼人も心ちゃんもきっと喜
んでくれるよ。」


「……親父…。」


「早く帰って少し休め…ずっと
徹夜だったんだろ?
親友の結婚式に寝不足の顔
で出席する奴がいるか。(笑)
このケーキは俺が披露宴に
間に合うように本店の方に
運んどいてやるから心配すんな。」


「うん。…ありがとう。」