帰りの会が終わる頃には皆エンドレス鬼ごっこの話をしなくなり、テレビやゲームの話などで盛り上がっていた。


私は鞄を肩に掛けしずくに手を振ってから下駄箱に向かった

既に靴を履いて待っていた友達の知恵は私を見つけるなり「遅いっ!」と叫ぶ


知恵とはいつも一緒に登下校している他のクラスの友達だ。


笑顔で私の元まで走ってくると、いつも今日クラスで一番盛り上がった話を私にしてくる。

だけど、今日に限りそうではなかった


「ねぇ!いちか知ってる?エンドレス鬼ごっこの話っ!」


この話は昨日の方がみんな噂してたし、今日は体育科の東堂先生と家庭科の森先生の結婚の話をしてくると思ったんだけど...


まぁ、昨日は委員会で一緒に帰れなかったせいかな?そう思い私は知恵の質問に答えた


「信じるわけないよっ、そんなのあるわけないでしょ?」

私はため息をつきながら答えるとプーっと頬を膨らませながら

「そんな事ないよ!高田 くんも言ってたよ?エンドレス鬼ごっこを馬鹿にしてる奴らはいつか後悔するこのになるって!」

「高田 くんって、私のクラスの??」

「うちの学年に高田 くんはい1人しかいないじゃーん?」



私のクラスの高田 くんはホラーや怪奇現象が大好きないわゆるオカルトマニアである。

きっとあの高田 くんの事だから自分の学校の怪談くらいは調べ尽くしてるんだろう


「へぇ~、高田 くんもやっぱそうゆうのは信じるタイプなんだね?って事はお化けとか怖くないのかな?」


「あー、でも少しやばいらしいよ?昔聞いた話なんだけど、修学旅行の時にトイレから勢い良く帰ってきたと思ったらめっちゃ真っ青な顔して『い、いたっ!いたんだよ!トイレに子ともが!』とか言ったんだって!」


大笑いしながら楽しげに喋る知恵、私も釣られて笑っていると知恵が急に真面目な顔になった


「でもさ、昨日の事で池田さん、不登校になったりするかもね」

少し小さくつぶやくように喋る知恵


確かに、昨日は散々大勢の人が池田さんに暴言とかをぶつけていたし、そうゆうこともあり得るかもしれない。

「そーだね、確かに今日は学校休んでたっぽいし、でも、どうしてあんな嘘どうしてついたんだろう」


「いちかは嘘だと思うの?」


うつむいたまま問いかけてくる知恵


なんだろう、やけに元気がなさそうだ


「うん、知恵は信じてるの?」


私がそう言ったのと同時に知恵はうつ向かせていた顔をぐっと上げると


「信じるわけないじゃんっ♪ てか次はいちかの番かもよ~?」


笑顔で喋る知恵、でも少し、私にはその笑顔が無理をしているように見えた。



「知恵、最近なんかあった?」


知恵の方をつかみながら聞いてみる

しかし知恵はまた下をついてしまい何も答えてくれない

私は少し心配になって「知恵?」と名前をよんでみた


するといきなり


「ごめん...」


「え?」

かなり小さい声だったけど、確かに今ごめんって聴こえた


何を謝られているのか分からず、同様を隠せないでいると


「今日、お母さんに買い物頼まれてるの忘れちゃってて、こっちのお店いくから、じゃあね!ごめんっ!」



そう言って知恵は曲がり角を曲り走って行ってしまった



今、知恵の目から涙がこぼれたように見えた


気のせいかな?



そう思いながら私は1人で家へと向かった