君想〜ただひたすら君が好き〜


1人で帰る道は、なんだか心細くてさみしくてとても長く感じる。


今まで優ちゃんと帰ってたからかな。


すると、うしろの方から声が聞こえてきた。


「ねぇ、優希の親友ってさ、あのチビ?」


「親友?・・・あぁ、佐倉美依でしょ?あいつは親友じゃないよ!ただ独りになりたくないからつるんでるだけだよ!!」


「じゃあさ!あいつと離れてうちらと一緒にいようよ!うちら同じクラスだしさ!」


「いいねいいねっ!そうする!」


・・・優、ちゃん?


優ちゃん、あたしのこと利用してたの?


優ちゃんたちは、あたしの存在に気づいてないのか、あたしの悪口ばかり言っている。


あたしはとにかく優ちゃんに腹が立った。


そしてあたしはうしろに振り返り、ズカズカと優ちゃんのところに向かった。


「ねぇ・・・優ちゃん、今であたしのことなんだと思ってたの?」


あたしが下から優ちゃんを睨み、とても低い声を出したからか、優ちゃんは方をびくっと震わせた。


「え・・・と、友達だよ!」


嘘ばっかり・・・。


「もう、さよならだね。その方が優ちゃんも嬉しいよね。じゃあね・・・」


そう言ってあたしは自分の家まで走った。


溢れてくる涙を堪えながら。


必死で必死で堪えてるのに、ついに涙が零れてしまった。