「それじゃ、バイバイだね。また後でねっ」


そう言って手を振りながら優ちゃんは自分の教室へと入っていった。


優ちゃんが入ったのを確認すると、あたしも自分の教室に足を踏み入れた。


そして黒板の前に立ち、自分の席を確認する。


あたしの席は・・・。


窓際の1番奥!


やった!


いい席じゃん!!


あたしは内心嬉しい気持ちでいっぱいのまま自分の席についた。


話す相手もいない。


だからあたしは、窓の外をただ見つめることしか出来なかった。


ガタン――。


あたしの右から聞こえる椅子の音。


隣に誰か来た。


誰だろうと思い、隣を見ると・・・。


「よろしくな!俺、桜井直人!君は?」


「あ、あたしは佐倉美依だよ!よろしくねっ」


桜井くんかぁ。


背も高くて顔も良くて、優しそう。


何だか今日はいい1日になるかもっ。


それから2人で話し込んだ。