「そ、それは…」

そう言われると恥ずかしくなってしまう。

確かにいい大人が全身びしょびしょに
なったりしない。

は、恥ずかしい……。

頬などが火照りながら先生を見る。
先生は、座って足をプールにつけていた。

その姿も様になっていてカッコいい。
それに…。

(うぅっ…馬鹿にされたけど笑ってくれた)

普段クールな先生が笑ってくれると嬉しくなった。
私でも笑顔を見せてくれている。

そうしたら睦月君が先生の所に来た。

「お腹……空いた」

どうやらお腹空いたようだった。

「そうか。もう昼頃だからな。
そろそろ昼めしにするか…」

先生は、そう言い立ち上がった。

あ、私も……。

私もプールから出ようと先生の所に向かおうとした。
すると小さな子供が私の前を急に横切る。

キャッ……危ない!?

慌てて後ろに下がった。だが、
ズルッと足を滑らしてしまった。

う、嘘っ!!?

「キャッ!?」

ドサッと派手に尻餅をついてしまった。

後ろに子供が居なかったのが幸いだった。

い、痛い……。

「い、痛ったた……」

「おい、大丈夫か?」

先生は、驚いて駆け寄ってきた。

「だ、大丈夫です。
滑っちゃいました…アハハッ…」

まさか滑るとは、思わなかったから
自分でも驚いてしまった。