「おめでとうございます。
あの…仲直りしたんですね?良かった…」
私は、苦笑いしながらお祝いを伝えた。
「ありがとう。うん。
あれからもう一度話し合いをしたんだ。
彼女の気持ちも理解しながら…そうしたらさ
涼花ちゃんの言う通り。
ただ安心したかっただけなんだ。
まだ式とか、そういう結婚らしい事は、
やれないけど」
「せめて籍を入れて一緒に住む事は、
やれるからさ。
彼女も今は、それで十分と言ってくれたから
結婚として踏ん切りがついた。
だからありがとな。涼花ちゃん。それに藤崎」
ニカッと嬉しそうに浜野さんは笑った。
そっか……。
今は、それでいいと思う。
長い人生なのだ。
慌てて式だの挙げなくてもいいと思う。
それよりもちゃんとお互いの気持ちを
確め合い一緒に歩んで行けたら素敵な事だ。
「ふん。まぁ、お前も晴れて既婚者か。
しっかりやれよ?」
そう言った先生は、クスッと微笑んだ。
あ、笑った……。
すると横に聞いていた睦月君が
ペンギンのぬいぐるみを1つ浜野さんに差し出した。
「なんだ?これを俺にくれるのか?」
「……おめでとう」
睦月君の精一杯のお祝いなのだろう。
可愛い……。
「マジかよ!?ありがとな~睦月。
もうチューしてやる」
そう言い睦月君をギュッと抱き締めると
頬にkissしようとする。
「……ウザい…」
必死で嫌がる睦月君。
それを見てクスクスと笑ってしまう。
仲がいいなぁ~何やかんやと言いながら
すると浜野さんが思い出したように
「あ、そうだ。忘れる所だった。
これさ~貰い物で悪いのだけど
迷惑をかけたお礼に」
ポケットから何かを取り出した。
何だろうか?



