「色々迷惑かけたな。
それもだけど……お前。いい子見つけたじゃん。
大切にしてやれよ?」
そう言うと帰ってしまった。
いい子……?
それって私のこと?
意味が分からずにきょとんとしていた。
チラッと先生を見ると黙ったままだった。
何を考えているのだろうか?
そうしたら黙ったまま睦月君の所に向かう。
抱き上げると
「…部屋に寝かせてくる」
そう言いリビングから出てしまった。
「は、はい。」
返事をするがこれ以上何も言えなかった。
何だか切ない表情に見えたからだ。
先生……。
その後。先生は、自分の部屋に籠ったきり。
出てきた時には、普通に戻っていたけど
理由が聞けなかった。
きっと複雑な気持ちなのかも知れない。
翌日。
また、浜野さんが自宅に来たら嬉しそうに
「じゃじゃーん。婚姻届を貰ってきちゃった」
報告をしてきた。
「……貰ってきちゃったじゃねぇーよ。
そんな事のために家に来るな!」
「えーいいじゃん。
せっかくの幸せな報告だぜ?
俺も晴れて結婚するのにさ。
喜んでくれてもいいじゃん」
「ウザい」
先生、怪訝そうにキッパリと否定した。



