「あ、やっと涼花ちゃんが笑ってくれた!?
良かった~」

浜野さんは、安心した表情する。

「えっ……?」

私は、慌てて頬を手に当てる。

「俺らが原因だと分かっているけど
涼花ちゃんは、笑った顔がいいよ?
せっかく可愛い顔をしているんだからさ」

ニコニコしながら言う。

すると
先生が浜野さんを軽く小突いた。

「お前がもともとの原因なのに
なに口説いているんだ!?
それよりもそろそろ彼女との喧嘩理由を話せ。
あやふやなまま居座る気かよ?」

「アハハッ…バレちゃった?」

浜野さんは、苦笑いする。

そういえば、彼女さんと
喧嘩しているのだったわよね。

どうしてだろう?

自分の事ばかり考えてて忘れていた。

「大した理由ではないのだけどね。
ほら、俺1年ぐらい海外で
研修を受けていたんだけどさ
彼女とは、その間は遠距離。
それでやっと日本に戻って就職先が決まったと
思ったら結婚したいと言い出したんだよ!」

「でも俺は、医者に成り立ての新人だし
正直結婚どころではなくさ
それで喧嘩になっちゃって
泊まらしてくれたのに追い出されちゃった」

そう言いながらえへへと浜野さをは、笑った。

「えへへじゃねーよ!?
それなら彼女に分かってもらえるように
説得しろよ。
大体、医者に成り立ての男に
結婚しろは、随分と勝手な話だな」

呆れた表情で先生。

しかし私は、彼女の気持ちが何となく分かる。

「勝手な…話なんでしょうか?」

「あっ?」

眉を寄せる先生にビクッと震えてあがった。