「いや、私のせいではありません。
隣部屋の人がその……火事を起こしてしまいまして
すみません」

正座をしながら
しゅんと落ち込んでしまった。

ツイてないことに住んでいた
アパートの隣部屋の人が火の後始末が悪く
火事を起こしてしまった。

私は、仕事に行っていたので
無事だったけど…帰った時には、消防車が来る
騒ぎになっていた。

部屋は、半分燃やされ住める状態ではない。

つまり私は、必然的に
部屋から追い出されるはめに

親友の梨子に頼むも…断られ
行く場所がない私は、先生にしばらく
部屋に置いてくれないかと
頼む事になったという訳だ。

「状況が大体分かったが
本当お前って…問題を度々引き起こすな?
それで、俺を惚れさせるとかよく言えたもんだ」

「す、すみません…」

自分で言っておきながら情けなくなった。
これでは、惚れさせる前に…愛想を尽かされる。

すると睦月君が私の背中をポンッと叩きながら

「……ドンマイ」と言われてしまった。

トホホッ…。

余計にしゅんと落ち込んでいると先生が

「おい。で、荷物は、これだけなのか?」

「…えっ?」

驚いて顔を上げる。

「えっじゃねぇーよ。
荷物は、これだけなのかと
聞いているんだ。
生活するのにそれだけで足るのか?」

呆れながらもそう言ってくれた。

それって……つまり。