一体何が希望なのだろうか?
「あの……何が欲しいのでしょうか?
睦月君は」
「そんなの知るか。
睦月の意見は、睦月にしか分からん。
まぁ子供の意見だ。
深い意味はないだろう」
先生は、そう言ってきた。
深い意味はない。
本当にそうなのだろうか?
睦月君は、どこか普通の子供と
違うような気がするし
モヤモヤと考え込んだ。
翌日も準備を進めた。
幼稚園にお迎えに行くと
睦月君は、拓馬君とサッカーで遊んでいた。
睦月君がゴールを決めると
「素敵ですわ~睦月様~!!」
茉莉華ちゃんが遠くで応援していた。
すると私に気づき
こちらに来てくれた。
「迎えに来たよ!帰ろうか」
そう言うとコクりと頷き
荷物を取りに行ってしまった。
待っていたら拓馬君が
「なぁなぁ、おばちゃん。睦月の所は、
今回クリスマスパーティーするんだって?」
そう尋ねてきた。
「う、うん。細やかなパーティーだけどね。
拓馬君の所も?」
「まぁな。俺ん家は、兄ちゃんと
姉ちゃんが居るから毎年騒がしいぜ」
えっ!?
拓馬君って兄弟居たんだ?
でも居そうかも…。
あ、そうだ。
拓馬君なら何か知ってるかも知れないわね。
「ねぇ、睦月君がクリスマスプレゼント
何が欲しいか聞いている?」



