イクメン作家と恋心。初期版2巻(修正済み)


一体何が希望なのだろうか?

「あの……何が欲しいのでしょうか?
睦月君は」

「そんなの知るか。
睦月の意見は、睦月にしか分からん。
まぁ子供の意見だ。
深い意味はないだろう」

先生は、そう言ってきた。

深い意味はない。
本当にそうなのだろうか?

睦月君は、どこか普通の子供と
違うような気がするし

モヤモヤと考え込んだ。

翌日も準備を進めた。

幼稚園にお迎えに行くと
睦月君は、拓馬君とサッカーで遊んでいた。

睦月君がゴールを決めると

「素敵ですわ~睦月様~!!」

茉莉華ちゃんが遠くで応援していた。

すると私に気づき
こちらに来てくれた。

「迎えに来たよ!帰ろうか」

そう言うとコクりと頷き
荷物を取りに行ってしまった。

待っていたら拓馬君が

「なぁなぁ、おばちゃん。睦月の所は、
今回クリスマスパーティーするんだって?」

そう尋ねてきた。

「う、うん。細やかなパーティーだけどね。
拓馬君の所も?」

「まぁな。俺ん家は、兄ちゃんと
姉ちゃんが居るから毎年騒がしいぜ」

えっ!?

拓馬君って兄弟居たんだ?
でも居そうかも…。

あ、そうだ。
拓馬君なら何か知ってるかも知れないわね。

「ねぇ、睦月君がクリスマスプレゼント
何が欲しいか聞いている?」