「気持ち悪いって酷いではないですか?」

もう…と頬を膨らませると
ツンとおでこを人差し指で突っつかれる。

「気持ち悪い奴が気持ち悪いと言って何が悪い」

そう言った先生は、クスッと笑ってくれた。

先生が笑ってくれると私まで嬉しくなる。

フフッと嬉しく思いながら睦月君を見ると
モグモグと私の頼んだオムライスグラタンを
自分のフォークを使い食べていた。

あっ!?

「あ、こら。睦月…お前のは、
そっちじゃないだろ!?自分のを食え」

慌てて止めさせる先生。

どうやら睦月君は、
かなりオムライスグラタンを気に入ったらしい。

「あ、いいですよ。
睦月君。そんなに気に入ったのなら
お姉ちゃんと交換する?」

そう尋ねてみる。
するとコクリと頷いた。

「いや、さすがにそれは、悪い。
それにお前…このハンバーグを1人で
食べられるのか?」

先生の言葉に一瞬考え込む。

(うっ…確かに)

多少睦月君が食べたいとはいえ
大きいサイズの特大ハンバーグ。

これは、キツい。

「が、頑張ります!」

私は、そう言うと睦月君と交換した。
せっかくなら気に入った方を食べて欲しいし

「……ありがとう」

睦月君がお礼を言ってくれた。
何だか嬉しくなる。

先生は、呆れつつも

「無理だけは、するなよ?
無理なら残せ」

そう言い私の頭をポンと撫でてくれた。

胸がドキドキして苦しくなってくる。
嬉しい。

頑張って食べていると睦月君の方を見ながら

「しかし、そんなに美味しいのか?
このオムライスグラタンってやつは?」

不思議そうに聞いてきた。