「なるほどな。確かにそうかも知れないな」

ニヤリと笑う先生は、
明らかに面白がっているように思えた。

睦月君は、先生と奥さんの子だ。

もしかして
凄く頭のいい子に育つのではないだろうか?

昼食を準備しているテント会場に向かうと

すでに何組の人達か料理を作って準備していた。
私達の組は……あそこね。

「すみません。遅れました。
何か手伝う事は、ありますか?」

「あ、藤崎さんの所の……あのすみませんが、
焼きそばの麺が入った
箱を持って来てくれませんか?
あとソース。足りないみたいなので。
置いてある場所は、ここに」

「分かりました。
涼花は、睦月と一緒にそこに居ろ」

「は、はい」

私は、返事して先生の指示に従った。

そして先生が取りに行っている間
焼きそばをかき混ぜる方を担当した。

これは、結構量があるので重労働だ!

くっ……混ぜにくいかも

私が必死に混ぜているとお客さんがきた。
他の組のママ達だろう。

「あの、焼きそばを2つ」

「私は、3つお願い出来るかしら?」

「はい。ただいまご用意しますね」

拓馬君のママが対応してくれた。
作りながら拓馬君のママが

「睦月君カッコ良かったわよ。
まるで王子様みたいで素敵だったわ」

そう言って褒めてくれた。