「おい、睦月。無視するなよ!?」

拓馬君が呆れながらツッコんだ。

そりゃあ、ツッコむよね?

睦月君は、拓馬君を見ると

「拓馬。バイバイ」と小さく手を振った。

それを見た彼は、ハァッ……とため息を吐き

「はいはい。じゃあな。睦月」

呆れつつも返事を返してくれた。

さすが親友同士なだけあって
お互い分かり合っているわね。

感心して見ていると茉莉華ちゃんが怒り出した。

「ちょっと睦月君。
茉莉華を無視しないで下さい!?
茉莉華の言っていた事ちゃんと聞いてましたの?」

興奮気味に言ってくる。

あぁ、怒らしちゃった!?

睦月君は、茉莉華ちゃんの方をジッと見る。
そして

「………で?言いたいのは、それだけ?」

「……そうですわ」

「…そう。じゃあ。
さようなら。茉莉華ちゃん」

睦月君は、サラリとそう言うと
さっさと歩いて行ってしまう。

えぇっ!?

「ちょっと待って。睦月君!!」

慌てて追いかける私。
すると茉莉華ちゃんは、泣き出してしまった。

「うわ~ん。
睦月君が……茉莉華に意地悪する~」

そう言いながら

えぇっー!!?

「あの違うから!?茉莉華ちゃん……」

私は、どうしたらいいのか
分からず戸惑ってしまう。